サロンの内装やインテリアは、お店の顔にもつながります。
サロンに入った瞬間から、その雰囲気が伝わるような視覚的効果がなければならないと点と線では考えています。
そして、サロンは長時間かかるので居心地という問題が一番に大切です。僕は、映画パリテキサスなどの古いアメリカの雰囲気と、
パリのサンジェルマンデプレの裏路地なんかにひっそりとある小さなカフェ、両方の角度からイメージしてデザインしました。
コンセプトは、「パリから見たアメリカ」です。そして訪れるお客様により、様々な違った印象を与えたいと言う想いもこもっています。ーーー
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サロンの外観です。1~2枚目通りに面した側面は、出窓を作りました。出窓と言えば、少々古臭いイメージが付きまといますが、
僕にとっては古いアメリカの住宅をイメージした結果、あえて取り付ける事にしました。
テントのフランス語フォントは、ルコルトやゴダールのシネマの雰囲気をイメージしました。
ディスプレイには、アンティークの漆器、雑貨類たちが並んだり(1枚目)ロンドンのインデペンデントなレコードショップを意識して作りこんだり(2枚目)
シーズン毎にそのイメージは変化していきます。
写真3枚目は駐車場前、入口のドアです。錆びたヴィンテージの格子を取り付け、薄いグリーンのトルソーは、1930年代のパリのヴィンテージ品です。扉の隣には小さなショーウインドーを制作し、
ここには、月毎に様々なヴィジュアルイメージを制作展示して、ご来店していただくお客様に愉しんでいただけたらなと考えております。ーーー
入って正面、受付のエントランスです。アメリカで買い付けられた重厚な石を貼り付けたカウンターに、USAヴィンテージの錆びたランプを吊り下げました。
そして受付は、サロンの顔でもありますから、特にレジスターには徹底的にこだわりました。
写真の赤い製品は、イタリアの工業デザイナーであるジウジアーロのデザインレジスターです。
製造が停止してから随分経ったヴィンテージ物を、探しに探して購入し、修理を施し使っています。
このイタリアンカラーの素敵な赤!日本のレジスターにはまずない色と形!僕の知る限り、世界で唯一の魅せる事のできるデジタルレジスターです。ーーー
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こちらは待合スペースです。一枚目の写真のテーブルは、90年代に東京・吉祥寺にあった、ペンギンカフェのテーブルを
当時そのままの状態で使用しています。様々なクリエイターやお洒落人な文化人が集った伝説のカフェです。ペンギンカフェ
合わせて置いてあるチェアは、左が、全国の美容室でも、恐らく所有しているのは点と線だけであろうオランダ人デザイナーである
ピート・ヘイン・イークの、廃材を利用したスクラップチェアと言う一点物の貴重な作品です。
点と線を象徴するデザインの椅子ですので、是非座っておくつろぎ下さい。(座り心地も◎)
右のアルミの製品は、名作のネイビーチェアです。
写真3枚目の存在感のある家具は、USAヴィンテージの貴重な工業用カルテケースです。こちらも、非常に探すのに苦労しました。
点と線では、この家具の中に様々な仕事道具を入れ仕事をさせていただいております。ーーー
1枚目はセット面とカットチェアです。斜め45度大胆に設置し、座ると鏡越しに隠し場所なしに内装全てが見渡せるような配置にしました。
巨大な特注の鏡は、ハリウッドランプが付いています。電球の大きさから間隔まで試行錯誤をしながら徹底的にこだわりました。
ミラーのデザインのイメージは、パリコレクションの楽屋裏です。
ここに座る人は必ず素敵になり、まるでパリコレクションのモデルや女優のように光り輝き、大きな鏡で見てもらいたいという思いと、
「ここ、点と線に立つスタッフは、世界でもトップのクリエイター集団だ。」
そのくらいの、強いプロフェッショナルの意識を持ちながら仕事をしたいと言う僕の想いもこもっています。
イームズの名作アルミナチェアを連想させるカット椅子は、タカラベルモントの10年以上昔のフィオレと言う椅子を、
皮を張り替えて使用しています。古くて錆びた足が良い雰囲気で、ハンモックをイメージして設計された背もたれは、極上の座り心地で長時間でも疲れません。
写真2枚目、店内に3本ある柱は、約60年前に実際に使用された鉄筋住宅の骨組みを、錆びなど全てそのままの状態で
店内に天井まで突き刺して配置し、無骨なイメージを演出しました。ーーー
点と線には、僕がセレクトした沢山の写真集、洋書、衣食住様々な読み物の本が所蔵されており、定期的に総入れ替えも行います。
また、雑誌に至っても、一般的な書店には取り扱いのない物も含め、可能な限り毎月全ての雑誌を見比べ、本当に良いと思える特集が掲載されている号のみセレクトして購入しています。
(よって、点と線では毎月、いつもの雑誌の最新号があるとは限りませんのでご了承下さい)
お客様は、カラー・パーマ等の待ち時間は自由に店内を歩き回っていただく事が可能となっております。
写真2枚目のミッドセンチュリーなキャビネットで仕切った先は、シャンプーブースです。ーーー
壁には、アメリカから輸入した古いレンガを砕いて貼り付けペイント。
タオルボックスは、定期的に色を変更しており、現在はメーキャップ道具に使用しているイタリアのボビーワゴンに合わせたレッドにペイント。
その上には、昭和のお風呂なんかでよく見るタイルが敷き詰められています。
写真2枚目は着付けなどにも使用する店舗奥の多目的ルームです。60年代を意識したツートーンのモダンなカラーリングを施しました。
店舗デザイン 山田恭裕